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日々反省です

昨年12月の年一番の大フィーバー期が過ぎ、年が変わってハムソー屋は閑散期に入るわけですが、今年は店前を歩く人の数が増え、例年になくお店のドアを開けてくださるお客さまの数が増えたように感じます。

 

それもそのはず、昨年10月にアインベルクのすぐ近くに大型商業施設がオープンし、この辺りの人の流れ、車の流れが大きく変わりました。

 

 

店の前からも見える距離、旧東北大学農学部の広大な敷地に現れた『イオンモール仙台上杉店』さん(以下、『イオン』)。私も一消費者としてちょくちょく利用させていただいておりますが、ワンストップで日々の生活に必要なものがほぼ揃う便利さは本当にありがたい✨✨

 

街を東西に走る「北六番丁通り」に面する当店から見てイオンさんは東に400mほど。朝10時を過ぎると、西から東へぞろぞろぞろぞろ…と絶え間なく歩く人々。きっとイオンさんに買い物に出かける方々の波でしょう。小さなお子さんの手を引くご家族、楽しそうなステップで向かう友達グループ…。今までにない朝の光景がなんとなく元朝参りの人々の流れに見えて、しばらくは新鮮な気持ちで通りを行き交う人々を眺めていました。

 

その途中、アインベルクの店前で立ち止まり「あら、こんなところに手造りソーセージ屋?」といった様子で店内を覗き込んでくださる方もちらほら。イオンさんでのお買い物帰りに立ち寄ってくださるお客さまもいらっしゃり、このエリアの再開発の恩恵を図らずも与っております。ありがとうございます。

 

そうした初ご来店のお客さまの中には、無類のハム・ソーセージ好きの方もいらっしゃいました。

「イオンに買い物に行こうと思って初めてこの通りを歩いたら、こんなところにソーセージ屋があってびっくりしました!アインベルクさんに出会えて本当に良かった!もうイオンに感謝です!!イオン、ありがとう~!!!」

とイオンさんに届けとばかりの声で喜びを語ってくださいました。まさにセレンディピティ、いや、運命の出会い✨いずれにせよありがたいことです。本当に。

 

ここ数ヶ月はこうした新規のお客さまをお迎えすることが増え、期待と気合の入り混じる気持ちで新年最初のひと月を過ごしていましたが、先日、初ご来店というまた別のお客さまにお会いしました。

 

現在ドイツで食肉加工職人の国家資格「ゲゼレ」の取得を目指して修行の身でいらっしゃるという男性のお客さまが何かのきっかけでアインベルクを知っていただき、ドイツからの一時帰国の折に奥様とご友人の方と3人でご来店くださいました。

 

まだラインナップが十分に出揃っていないショーケースに並ぶ一つ一つの商品をじっくり眺め、投げかけてくださる質問がいきなり専門的…😓

私では太刀打ちできないと思い、すぐさま店主を呼ぶと職人談義やドイツの食肉製造事情の話で盛り上がっています。

以前のブログにも登場したハンドルネーム『ソーセージ姉さん』の存在もご存知のようで、本場ドイツで食肉加工の世界に人生を投じる日本人の方がここにもいらっしゃるのかと、私たちまで熱い気持ちになってしまいました。

 

「いつか私たちも日本に戻って夫婦でお店を開きたいと思っているんです」と、一緒にドイツ生活を送る奥様のキラキラした笑顔も印象的です。夢と理想を追いかけて異国の地で頑張っている若いお二人に、なにがしかの影響やインスピレーションを提供できているのでしょうか。

アインベルク創業から9年目、自分たちはもう誰かの背中を追うのではなく、背中を見せる立場になったのかな…、なんて店主としみじみ語り合ったその日の夜でした。

 

そんなお酒も美味しく進んだ夜から数日後、インターネット上のレビューサイトにご利用いただいたお客さまからのコメントが投稿されました。

 

☆1つ「ひどい接客をされました。(中略) 悲しいです」

 

どのようにひどかったのか…など具体的なご指摘はありませんでしたが、この寒い中をせっかくご来店いただいたお客さまが「悲しい」と思い、わざわざレビューを投稿なさったということは正直ショッキングですが受け止めるべき事実です。

 

つい数日前には「誰かにとって憧れられるような店になったのかな…」なんてちょっと有頂天になっていた自分を本当に恥ずかしく思いました。

どのお客さまへの対応であったのか特定はできないものの、ここ数日(もしかしたらもっと以前のことかもしれませんが)の自分の接客態度や仕事の仕方について思いを巡らせ、お客さまにとって不快に思われるような言動がなかったか、ひとしきり自己反省をしました。

 

その内省の過程で、ある人物の言葉を思い出していました。

 

昨年末の繁忙期、目が回るような忙しさの中で、つまらないミスや油断を絶対に犯さずにスタッフ全員でこの時期を乗り切らなくてはなりません。私自身がそうした強いモチベーションを保ち続けられるようにと、名だたる経営者やビジネスリーダーの書籍を、作業中や家事をしながら読んだ… と言いたいところですが、とても本を開く余裕はなかったので "聴く読書" でおなじみ『Audible(オーディブル)』を使って聴きまくりました。

何の役に立つのか、イーロン・マスク氏の自伝まで聴いたりして…。

 

さてその中で、冒頭の写真でご紹介している故・稲盛和夫氏の著書『考え方 ~ 人生・仕事の結果が変わる』を聴き、大変感銘を受けました。 

 

京セラの創業者で、第二電電(現 KDDI)を設立し、経営破綻後のJAL(日本航空)の再建を成し遂げた伝説の経営者。「稲盛フィロソフィ」と呼ばれる独自の経営哲学は、日本国内だけでなく世界にも影響を与え、「経営の神様」と呼ばれている……というのは、この本を聴いて知ったこと。恥ずかしながらそれまではお名前くらいは聞いたことがある、という程度でした。

  

90歳までの生涯で55冊の自著を出していらっしゃり、私は稲盛氏の哲学をちょっとかじったまでに過ぎませんが、稲盛氏の珠玉の金言がいくつも胸を去来します。

 

本書は、ビジネス書というよりかは、そもそも人としてどうあるべきかという根本的な視点を提示しているように思います。第7章では「反省すること」について触れられていました。以下抜粋です。

 

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反省をすることで自らを戒め、利己的な思いを少しでも抑えることができれば、人間誰もが持っている美しい心が自ずと現れてくるはずです。

 

人間には本来、自分だけ良ければいいという利己的な心とは正反対に、感謝を忘れず思いやりに満ち、他の人に尽くすということに喜びを覚えるという美しい心もまた備わっています。それは良心と表現できるような崇高なものです。

 

我々は煩悩や欲にまみれた人間ですから、なかなかそうはなれません。(中略)かく言う私として不完全な人間です。(中略)しかしだからこそ今よりは人間が悪くならないようにしようと努めています。

 

何も手入れをしないでそのまま放っておけば、人間の心は必ず利己的で強欲なもので満ち満ちてしまいます。(中略)京セラが順調に成長・発展を続け、(中略)私自身も経営者として高い評価をいただくようになった頃から、私はこの反省するということを強く意識するようになり日課としてきました。

 

毎日、起床時と就寝前に洗面所の鏡に向かうのですが、その際には昨日の出来事、今日の自分の言動をひとしきり思い返し、人に不愉快な思いをさせなかったか、不親切ではなかったか、傲慢なふるまいはなかったか、と自らを厳しく問いただします。そして自分の言動や発言に人間として恥ずべき点が見つかれば、自分自身を強く叱り、二度と過ちを繰り返さないようにしています。

 

(前略)少しでも立派な心でありたいと思い、今でも毎日心の手入れに努めています。

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今回、お客さまからご指摘のコメントをいただいたことで「反省をしないと」という気持ちになった自分の器がなんと浅く小さいのだろう…と恥ずかしくなりました。

 

ともすると、反省の中で言い訳めいた気持ちが湧いてきます。例えば、

「お客さまのご希望に沿う商品が欠品していて、気分を害されたのかもしれない…」

「ちょうど店頭が混み合っていてゆっくりと丁寧な接客ができなかったのかも…」

 

きっとそうではなかったのだろう、と次の瞬間には打ち消すのですが、こんな自己本位の考えが浮かんでくるのが人間だからこそ、稲盛氏は毎日心の手入れをして少しでも悪い方に進んでいかないように、毎朝毎晩、鏡の前のルーティンを実践しつづけているのでしょう。

 

私も少しでも良い人間になりたいです。店主が丹精込めて作った商品をお客さまに喜んでいただけることがこのお店を営んでいる本当の目的であり喜びなんだと、いつでも恥ずべき心なく言えたのなら、どんなに清々しい気分だろう…と想像します。

 

私の鏡の前での反省ルーティンはまだ始まったばかりです。顔や髪の手入れだけではなく心の手入れに努めること、コツコツ続けていきたいと思います。