残暑がようやく落ち着いてきて、ベランダで夜風にあたりながら月を眺めるのが気持ちよくなってきた頃…というのが、アインベルクが誕生した時期。
2017年9月29日に仙台ではまだ(そして今も)珍しい手造りハム・ソーセージ専門店『Einberg -アインベルク』を開いたのが8年前です。
なぜかフレッシュに見える開店当初の写真。二人とももう40歳を超えているのですけどね、今見ると「あー、若い!!」って思うわけです。
あれから8年、店主も私も今年は特に体力の衰えを感じるようになりました。
自らの健康だけではなく、日本の景気や世界の動向…、日々の不安要素に事欠かない中で、お店に立てばお客さまの優しさや温かさに触れられる毎日があり、今年も無事に周年記念日を迎えることができました。日頃からアインベルクを愛してご利用くださる皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。
私たちがエモーショナルになりがちなこの時期ですが、今年特に心に深く残ったことを3つほど書きたいと思います。いつも文章が長くなりがちなので、なるべくコンパクトに…。
1)ソーセージ父さん&母さん ご来店!🌺
いつもは祝日定休日の9月23日(火祝)、周年記念日も近いからとやる気満々で臨時営業をしていたお昼過ぎ、穏やかな雰囲気のご夫婦がご来店くださいました。
初めてのご来店かしら…と思いながらお声がけすると、
「8周年…ですよね?」と優しい笑みを浮かべながら、大きな花かごを差し出してくださいました。
ビタミンカラーがメインの華やかなアレンジメントに添えられたカードには "ソーセージ姉さん" の文字が…。「えっ、もしかして、ソーセージ父さんと母さんですか?!?!」
って、なんのこっちゃですよね😅
数年前から "ソーセージ姉さん" なるアカウントの方がアインベルクのインスタグラムをフォローしてくださり、私たちもすぐさまフォローバック。
ドイツ在住でほぼ毎日ソーセージの写真のみをアップしている無類のソーセージ好きのご様子。本場ドイツのソーセージ事情を "姉さん" の投稿から勉強させてもらうこともしばしばでした。
そんな姉さんが来店してくださったのが今年の夏。清楚な小花柄のワンピースが似合う可愛らしい娘さん(私たちとの年齢の乖離をご想像ください!)が目をくりくりさせて嬉しそうにショーケースを眺めたあと、「実は私、"ソーセージ姉さん" なんです…」と告白してくださった時には、店主ともどもたまげました。
夏休みでドイツから一時帰国中とのことで、思いがけない対面に私たちは大興奮!
姉さんと店主は豚一頭をさばく話とか、ソーセージに入れるチーズの話とか、すっかり職人談義に花を咲かせて、結局私は置いてけぼり…。
でも楽しそうにソーセージを語っている二人を見るのは決して悪い気はしないもの。こんなにも好きで打ち込めることがあるってすごいなぁ…って、私は憧れてしまいました。
ソーセージが好きすぎてワーキングホリデーを利用して渡独し、その後は職人養成学校に入って本格的にハムソー職人の道を歩んでいるという姉さん 。ドイツ語の習得、現地の生活習慣への順応…、大変なことはたくさんあるかと思いますが、とにかく今が充実しています!というオーラに魅了されるばかり✨
「ずっと日本語でお肉のことについて思う存分話したかったんです!今日は本当に楽しかったです!また来年の夏に来ますね!」とキラキラ笑顔でお店を後にされました。
姉さんのようなうら若き女性が一人本場でソーセージ修行に挑んでいる…。もうこの事実だけで私たちの胸はジーンと熱くなってしまいました😢
そしてこの日、周年祝いにと、大きなお花を抱えてご来店くださったのがソーセージ姉さんのご両親でした。
「はっ、ソーセージ父さんと母さんですか?!」
と失礼ながら口に出してしまった私に、お二人はおおらかにも笑顔でうなづいてくださいました。
本当のお名前も存じ上げない姉さんとそのご両親。ソーセージでつながるこの不思議なご縁とソーセージ家族の温かいお気持ち。泣くなと言われても無理な相談です。
ニッチなお店ですが、コツコツ続けていればあ感想するほど嬉しいことがあるのですね。誰かにとって私たちのお店が意味のある存在になっているのかな…。そんな自信をいただいたのと同時に、こんなに素敵な形でお客さまから祝っていただけることを心から幸運に思ったのです。
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ということで、結局長くなってしまったので、ここまでを前編、続きは後編として書きたいなと思います。
私の個人的な感傷ブログですが、もしよろしければこの後もお付き合いくださいね。