唐突ですが、店主にはソーセージ職人としての引き出しがたくさんあるのだと思います。
まだ開けていない引き出しや、すでに取り出したものを柔軟にアレンジするスキルと経験も。
とはいえ、皆さまに納得していただけるクオリティと喜んでいただける味を、日々途切れなくご提供するとなると、どうしてもある一定の商品を作り続けることになってしまいます。
店主一人しか作り手がいないアインベルクでは、常時30〜40種のアイテムをお出しできていることだけでもすごいなーと、私は時々傍観者のごとく感心したり。
ありがたいことにそれぞれの製品にファンが付いています。
特に、諸々の事情でここ数ヶ月の間、作れていない「トスカーナ」のファンのお客さまには、もうアインベルクに来ていただけないのではないか…とハラハラするほど、ラブコールをいただいておりました。
(トスカーナをご存知ない方はこちら → ある日のブログ「トスカーナ」)
トマトの酸味とチーズのコク、ガーリックが効いたスパイス、じっくりフライパンでジューシーに焼き上げて食べる腸詰「トスカーナ」は、強烈なインパクトを残す味わいです。
そんなトスカーナの味をもっと気軽に楽しめるような商品を、そして製造する側としても持続可能な形でご提供できるようなアイテムを作りましょう!ということで、今回登場したのが、「ミニリヨナー(トマト&チーズ)」です。
なめらかな細挽きの生地に、ドライトマトとチーズがたっぷり入っています。そのままでも美味しいですが、おすすめは適当な厚さに切ってフライパンで軽く両面を焼き、溶け出したチーズがおこげのようにカリッとなった食感も合わせて味わっていただきたいです。
完成されたものを見るとなんだか簡単に作っちゃった感じがしますが(と思うのは私だけ…?!)、何度か試行錯誤を重ねました。
生地を粗挽きにするか細挽きにするか、スパイスの構成をどうするか、ドライトマトやチーズのバランスはどうか…。
どれを食べても「美味しいな~」と思うのですが、その中であら捜しをするように改良点を見つけて微調整を繰り返しました。
「家族みんなで楽しめるソーセージ」というコンセプトで、トスカーナに近づけつつもガーリックは入れずに、粗挽きではなく細挽きにして、好きな厚さに切れる自由度やお弁当にも入れやすいようなサイズ感を意識しました。
ケーシングの口を縛るタコ糸の結び方にも、職人ならではのコツがあるんだよ、とややドヤ顔で私とスタッフに実演してくれました😅
最終的には、娘が「おいしい!私、これ大好き!」と太鼓判を押してくれたことで、完成に至った製品です。
ぜひ、皆さまの「おいしい!」の声もお聞きしたいです。
ショーケースで見かけたら、ぜひ一度お試しいただけると嬉しいです。
特に「トスカーナロス」のあなた様に…。