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アイスヴァインじゃなくてアイスバインでした

アインベルクのアイスバイン。

昨年末からだいたい3~4週間に一度の割合で、出来立てを店頭販売しています。

こんな感じです↓↓↓

 

アイスバイン(Eisbein)とは、塩漬した豚のすね肉を野菜やスパイスなどと長時間煮込んで作るドイツの定番家庭料理。特にベルリンの名物として知られています。

 

…と、知ったかぶった感じで書いておりますが、つい最近まで “アイスヴァイン” とカタカナ表記をしておりました。なんとも恥ずかしい…。

 

え、何がおかしいの?と思ってくださったあなた様はお優しい方です。

 

ドイツには "Eiswein" という、凍ったブドウの果実で造る極甘口の高級白ワインがあるそうです。

Eis(アイス) = 氷、Wein(ヴァイン) =ワイン

そう、"アイスワイン" のことですが、ドイツ語の発音に近い表記では "アイスヴァイン" となるそうです。

 

一方、こちらは Eis(アイス/氷) Bein(バイン/脚) で、"アイスバイン" が実際の発音に近いそうです。

 

ドイツ語はほとんどわからない私には、この発音の違いはおろか、カタカナ表記でも区別があることを知りませんでした。

店主が作る本格的なドイツの味を、これまできちんとご案内していなかったことが悔やまれます。混乱してしまった方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません…。

 

なぜ、この料理が ”氷の脚” なのかについては諸説あるそうです。

昔、スケート靴の刃(ブレード) に豚の脚の骨を使っていたとか、アイスバインを煮込んだ際に肉から湯に溶け出したゼラチン質やコラーゲンが冷えて固まると氷のように見える、とか…。

 

時々お客さまから、「ドイツでアイスバイン食べたのよ~」とお話をお聞きすることがありますが、大抵の場合は、ものすごいボリュームの骨付き肉がザワークラウトやジャガイモと一緒にドーンっと皿に盛られて供されるようです。

 

アインベルクのアイスバインは、あらかじめ骨が抜いてあるので全部丸ごと食べられます。

ホロホロに柔らかく茹でて仕上げているので、温かい状態のアイスバインをゲットした方は、フォークとナイフで塊をほぐして、マスタードをたっぷりつけてほおばっていただきたいです。 

 

冷蔵保存して引き締まったお肉はきれいにスライスできます。

 

寒くなってきたこの時期には、電子レンジでチンするだけでも美味しいと思いますが、ちょっとひと手間かけて、ザワークラウトと一緒に鍋でコトコト炊いて、熱々をフーフーしながらほおばってみてはいかがでしょうか。

 

瓶入りザワークラウト(アインベルクでも販売しています)を鍋に空けて、その空き瓶一杯の水を鍋に入れ、1/5~1/4の分量の酢を入れて温めます。あればローリエやベーコンを入れると香りとコクが増します。

ここに、適当な大きさにほぐしたアイスバインを入れて、お肉が温まるまでコトコト炊いて出来上がり。

別茹でしたジャガイモと一緒に食べても美味しいです。

 

大量に作った時は、アイデア次第でアレンジしてはいかがでしょうか。

トマト缶とパプリカパウダー、牛肉ベースの腸詰にひよこ豆を入れて、なんちゃってグーラッシュを作ったり。

(この時はちょっとアイスバインが負けてしまったように思いましたが、全体として美味しかったです)

 

このアイスバインの美味しさを、言葉で表現するのが難しく、「一度、食べてみてください」としか申し上げられない私の接客力の低さが、目下の悩みの種です。

 

どうか、舌の肥えた食経験豊かな皆さまに、ぜひ一度アインベルクのアイスバインをお試しいただき、そしてその感想を教えていただけたら大変勉強になります。

よろしくお願いいたします!