今年で4回目となる『町たんけん』の受け入れです。
地元の上杉山通小学校は、仙台市内でも生徒数の多い学校です。2年生160名余りが5人ほどのグループに分かれて学校周辺の企業やお店を訪問して地域を知る『町たんけん』。
食卓では常連のソーセージやハムがどんな風に作られているかなんて、なんとなく想像できるような、でも知ると意外に思うようなことも多いはず。
最初に受け入れた2018年には、店主も私たちスタッフも、好奇心旺盛でエネルギッシュな子どもたちの質問に驚いたり、その反応に笑顔になったり、礼儀正しく熱心な様子に感心したり。
おそらく事前準備の段階で、最初の挨拶をする人、みんなで声を合わせて言う言葉、写真を撮る係、最後の締めの挨拶を言う代表者、などを打ち合わせて来ているようですが、緊張して固まってしまう子や、元気いっぱいみんなを仕切る子、店主を質問攻めにする子など、子どもたちの純真でキラキラした個性に毎回目を細めてしまいます。
先週水曜にやってきた4回目の『町たんけん』。風邪で当日お休みの子たちもいて、これまでで一番少ない8名が2グループに分かれて来店しました。
(今年は、ソーセージ屋はあんまり人気がなかったのかな…😅)
元気いっぱいやってきた子どもたち、最初は質問コーナーです。
「どうしてソーセージのお店を開いたのですか?」
「おじちゃん(店主)は子どもの頃からソーセージが大好きで、自分で作れば好きなだけ食べられると思ったからです!」
「おすすめの商品はなんですか?」
「みんなに食べてもらいたいと思うものは、フライッシュケーゼとポークウィンナーです!」
といって焼き立てのフライッシュケーゼが乗ったお皿を見せると、カメラ係の子が学校から支給されているクロムブックで写真を撮ります。
一通り質問が終わると、今度は店の奥の工房に移動。
実際に使用するお肉やスパイス、羊腸や機械類などを見ながら説明を聞きます。
主に豚肉を使うこと。製品によって使用する部位が違うこと。部位ごとに分けた肉はさらに赤身や脂身などに細かく分けられ、スパイスなどと同様に正確に重さをはかって製品を作ること…。
なるべく子どもたちにわかりやすい平易な言葉で話す店主の説明を、子どもたちは熱心に聞いてくれます。
ソーセージを作る際に使う羊の腸を実際に触ってみるところでは、毎年子どもたちから歓声が上がります。
挽き肉を作るチョッパー、挽いたお肉とスパイスなどを練るカッター、ハムやソーセージを燻製するスモークハウスも見て回ります。
狭い工房で機械を動かすのは危険なので、実際の製造の様子を見せることはできませんが、間近で機械や道具を見られるのはそれなりに面白そうです。
特にスモークハウスは普段見かける機会がないものなので、子どもたちは興味津々。
「開けてみるよ」
と言って、店主がスモークハウスのドアを開けると、子どもたちから「おー!」の声が上がります。
濃い茶色とほわっとした白いものに覆われたソーセージがぶらさっがています。冬季限定自家製サラミです。
白カビを付けたサラミは本当はスモークハウスを使わないのですが、まぁこの演出はなかなか興味深い。
「カビって食べられないでしょ?」と早速質問が飛んできて、食肉加工の奥深さを少し垣間見ることができたようです。
一通りの見学を終えた子どもたち。
ショーケースに並ぶ数々の商品を見ながら「これ食べたいな~」と声に出す子も。
できるなら試食タイムがあればよいのですが、今はアレルギーや感染症などの懸念があって、おいそれと食べてもらうことができません。そこで「今度お母さんやお父さんとか家族の人と一緒に来てくれたら、味見してもらうからね」と店主が伝えると、子どもたちはガッツポーズ。
早速その数日後にお母さんと一緒に来てくれた子どもたちがいて、お家でアインベルクの話をしてくれたんだと嬉しい気持ちになりました。
年1回の町たんけん。知り合った小学2年生の子どもたちのその後の成長を時折見ることができるのが、毎日カウンターに立っている私の特権です。
最初の町たんけんで受け入れた子たちが今年は5年生。買い物に来てくれるたびに「大きくなったねー」と言ってしまう私はまさに近所のおばちゃんです。
当時、娘は3歳。ゆくゆくは地元小学校に進学して、小2になったら彼らのようにお店や会社を回るんだね、と話していましたが、もう今年がその年になりました。
町たんけんの訪問先をそろそろ選ぶという時期になり、テレビ局やケーキ屋さん、大企業やパン屋さんなどいろいろある訪問先の中で、娘は最初「絶対ドコモビルに行く!」と息巻いていたのですが、それは "振り" だったのか… なぜかアインベルクの訪問チームに入っていました。
「せっかくだから別の場所に行けばいいのに~」と言うと、「いいの!アインベルクを見学する!!」と満面の笑み。店主も私も一瞬たじろいでしまいましたが、よくよく考えれば娘の選択にほっこりするやらありがたいやら。
当日はポーカーフェイスだった店主ですが、心中嬉しかったと思います。
おとなしくほかの子どもたちと一緒に説明を聞く赤いフリースを着た娘の後ろ姿に、なんだか頼もしい気持ちにもなりました。
この町たんけんでは2か所訪問をするそうで、もう一か所は地元の大手銀行を選んだそうです。
理由を聞くと「ひとのお金を見てみたいから」とニヤリ。
なんだか、小学2年生の考えることは、まだイマイチ分かりません…😓
今回アインベルクに来てくれたみなさん、本当にありがとう!
みんなに美味しく食べてもらえるソーセージやハムを、これからも頑張って作りますよ!